gibson flying v
 

今回は一番右のモデルです。

1958年にギブソンは3種の変形ギターの製作にかかります。Flying V、Explorer、そして幻のギターModernです。発売に至ったのはFlying VとExplorerだけですが、どれもがそれまでの常識からは大きく外れたデザインでした。コリーナ・ウッドという材を使用したことも異例でした。どうしてこんなことをしたのかという問いに当時の社長のテッド・マッカーティは「フェンダーは革新的でギブソンは保守的というイメージを払拭したかった」と言っていました。ただ当時は先を行き過ぎていたためまったく売れず、ほとんど生産されないまま生産終了となってしまいました。Flying Vは100本程度、Explorerは40本程度と言われています。68年に少しデザインを変えて再生産され(写真左と中央)、その後へヴィー・メタルのギタリスト達に愛用されたためFlying V=ヘヴィー・メタルというイメージがついてしまいましたが、一番最初のこのモデルは全くの別物です。

58年といえばギブソンの黄金期。レス・ポールはサンバーストになり、ハムバッカーはPAF、3度ネックに17度ヘッドというスペックの時代です。当然そういったスペックはFlying Vにも適用されています。さらにボディの木目で分かりますが、82、3年に再発されたコリーナ・ウッドのVとは木取りが違います。また、ネックがほぼすべて露出しているため、ハイ・ポジションでのプレイアビリティは非常に高いです。チューンO

マチックのブリッジを採用し、弦はウラ通しです。パーツはすべてゴールドで、ヘッドのGibsonロゴは当時アンプに使われていたものを流用しました。

2ボリューム/1マスター・トーンというレイアウトは、普段ストラトを使っているひとも簡単に扱えます。この辺も狙いだったんでしょうか?(笑)

音はレス・ポールよりはSGに近いです。ボディの形状や材のせいだと思います。歪ませるととてもロックな音になります。

アルバート・キングやキース・リチャーズが愛したこのVも、いま世界にいったい何本残っているんだろう?マンションが買えるほどの値段になっているようです。はあ…。

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